2014年10月17日金曜日

銃砲の「所持」って

銃砲の所持を制限するための法律は、言わずと知れた「銃砲刀剣類所持等取締法」。
いわゆる銃刀法というやつです。

「所持」ってなんなの?

で、ここでいう「所持」とはなんなんのでしょうか?

銃刀法には定義されていないのですよね。

民法上にある「所有」とか「占有」とも違います。

所持を、「所有し、自己の支配下におくこと」と説明してしまうと、

銃を一時的も持たせてもらった場合は、
自己の支配下においたことにはなりますが、一時的持つだけで所有権を得ることなど考えないのが普通なので「所有し」の要件を満たさないので、所持にはならないことになってしまいます。

実際には、「ちょっと持たせてもらう」ことも、しっかり不法所持罪となります。

なので、所持は「所有し、自己の支配下におくこと」とは説明できません。


所持の定義


「所持」の上手な定義を求めてネットを探していたら、

猟銃等の運送に伴う盗難・紛失事案の帽子に関する指導の徹底について(通達)(警察庁丁安発第257号 平成元年12月5日)」という文書が見つかりました。

ネット上では、「インターネット等を利用して猟銃等の通信販売を行う事業者等に対する指導の強化について(通達)(警察庁丁生環発第97号 平成20年3月27日)」(原議保存期間10年)の添付文書として公開されていました*1。

この中で所持について

「猟銃等を社会通念上支配の意志をもって、事実上自己の支配し得べき状態においた場合、不法所持の問題がでてくる」

と上手に説明されています。

この言葉を使えば、所持とは、「社会通念上支配の意志をもって、事実上自己の支配し得べき状態におくこと」と定義できるでしょう。
「所持」と「所有」は無関係ですね。

所持は広い概念

所有していなくても、所持は成り立ちます。
他人ものものを預かるだけでも所持になります。

携帯することも所持、手に取ることももちろん所持です。

言わずもがな、銃刀法3条に規定されている場合を除いては、銃砲を所持することは禁止されています。

運送業者は、航空会社は、運搬するときに所持できるのか?

ところで、運送業者に銃砲を運んでもらうことはできます。
このとき、運送業者は所持しています。

飛行機に乗る時、船に乗るときには預けなければなりません。
航空会社、船会社が所持することになります。

銃刀法3条には、運送業者のことは書いていません。

運搬については、所持許可がある者でさえ、正当な理由がある場合しか運搬しては行けないことになっています。(銃刀法10条1項)
ますます、運送業者が運んでよいのか謎になります。

これについては、
委託者(運搬を依頼する方)の保管義務(銃刀法10条の4第1項)違反については、同条第2項を準用して正当な理由がある場合と認められるので適法。(先ほどの通達作成時とは法改正により保管義務の条文番号が違っている)
受託者(運送業者)は、運送事業者等の正当な運送業務の範囲内で行う銃砲の運送行為に限り、刑法35条の正当業務行為として違法性が阻却されることになるので適法。
なのだそうです。

「正当な理由」とか「正当業務」などの一般条項を持ち出さずに、銃刀法にちゃんと規定すればいいのにと思ってしまった。

脚注

  1. 平成元年作成の文書が平成20年作成の文書の添付ファイルとされているということは、平成元年作成の文書の保存期間は20年はあったのか、長っ。ちゃんと文書管理されてたのかしらんっ、なんて思ったら業界人ですな。
  2. 蛇足ながら、自衛官が銃砲を所持していいのも銃刀法3条1項1号が適用されるためです。自衛隊法で銃刀法の適用が除外されているのは28条の記録票の作成の部分のみですから。




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